
覚えてますか?
Amazonファーマシーが日本に上陸するって話が出たとき、薬局業界がちょっとしたパニックに陥ったあの頃を。
まるで「黒船来襲!」みたいに騒がれてたよね。
「Amazonのせいで書店が壊滅したように、薬局も同じ運命をたどるんじゃないか」
なんて心配する声もネットで飛び交ってた。
2025年の今、その熱もだいぶ落ち着いてきたけど、
やっぱりビビってる薬剤師や薬局関係者って少なくないと思うんだよね。
そういえばClubhouse(クラブハウス)って覚えてる?
2020年頃に話題になった招待制の音声SNS。
あの「音声版Twitter」って呼ばれたやつ。
流行りに乗り遅れたくない人たちが「今度こそ!」って殺到したけど、
結局すぐに尻すぼみになって、誰も話題にしなくなっちゃった。
あの感じ、Amazonファーマシーとちょっと似てる気がしない?
「Amazonが来たぞー!」って慌てて飛びついたはいいけど、
大した盛り上がりもなく、フェードアウトしていくんじゃないかって、私は最初からそんな気がしてるんだ。
実はね、報道が出た当時も
「これ、大丈夫でしょ」って思ってポストしたんだけど、反応は薄くて「いいね」も無かった(笑)。
でも、マスコミに煽られて「Amazonファーマシーが来たらヤバい! 書店みたいになる!」って青ざめてた薬剤師たちを横目に、
私は20年以上薬局薬剤師やってきた経験から「いやいや、そんな脅威じゃないよ」ってずっと思っていた。
今日はその理由を、ちょっとエッセイっぽく語りながら解説してみようと思う。
アメリカと日本の「薬局」の違いがデカいんだよ

まずね、Amazonファーマシーが日本でそんなに脅威じゃない理由の一番のポイントは、
アメリカと日本の薬局の仕組みが全然違うってこと。
アメリカだと、特にコロナ以降、オンライン診療がぐんと進んで、Amazonファーマシーもその流れに乗っかってる。
彼らは独自の薬局を持ってて、患者に薬を直接届ける仕組みを作ってるんだけど、
特徴的なのは「値引き」で患者を引き込んでること。
あとね、アメリカでは処方箋薬を渡す時に服薬指導の義務がないんだよ。
患者はスマホで電子処方箋を送れば、それで終わり。
薬がポンと家に届く。便利でしょ?
でも日本は違う。
薬価が決まっているから、勝手に値引きは出来ないし。
服薬指導が義務付けられてるから、薬剤師がちゃんと説明しないと薬を渡せない。
オンライン服薬指導って聞くと「便利そう!」って思うかもしれないけど、
実際は時間予約して、ビデオ通話で説明聞いて…って、意外と手間がかかる。
アメリカみたいに「いつでもスマホで完結!」ってわけにはいかないんだよね。
ぶっちゃけ、近くの薬局にサッと行って薬もらった方が早いって感じちゃう人も多いと思う。
私もそう思うし。
この「値引きできるか」「服薬指導が必要か」の違いが、
日本でAmazonファーマシーがそんなに広がらない理由の根っこなんだよね。
そのことを解っているから、Amazonは自分の薬局を持たない。
既存の日本の薬局のプラットホームになり、手数料だけ得ようという戦略。
やっぱり賢いよね!
日本の薬局たちは、まんまとその戦略に利用されている。
日本の薬局は、薬の在庫から人件費まで、全て自分持ちで、アマゾンはただプラットフォームを提供するだけで利益を得る。
そもそも利益がしっかりと出るのであれば、アマゾン自体が薬局を経営するはず。
それをしないことから見ても、大した影響力がないことが見て取れるってわけ。
患者さんから見ると「別に便利じゃない」問題
次に、患者さん側の視点。
ぶっちゃけ、Amazonファーマシーってそんなに便利じゃないんだよ。
考えてみてよ、目の前に薬局があるのに、わざわざオンラインで服薬指導受けて、送料払って薬を待つって…面倒じゃない?
「忙しいビジネスマンなら使うかも」って言う人もいるけど、
時間がない人ほど「目の前の薬局でさっと済ませたい」って思うんじゃないかな。
時間の使い方が上手な人ほど、効率悪いことは避けるよね。
もちろん、オンライン診療とセットなら話は別。
診察も服薬指導もオンラインでまとめて済ませるのは効率的かもしれない。
でもさ、それでも「電子処方箋を薬局に送っておいて、帰りにピックアップする」方が早い場合もある。
特に都市部だとね。
地方だとまた事情が変わるかもしれないけど、オンライン診療が浸透したとしても、
服薬指導までオンラインにする人がどれだけいるか…ちょっと疑問だな。
忙しいビジネスマンがオンライン服薬指導をゆっくり出来る時間は、仕事終わりに家に居る時。
20時とか21時にオンラインで薬剤師と話して、郵送なら便利かもしれないけど。
そんな時間に薬局やってないしね(笑)
そうそう、オンライン診療自体だって、10年20年かけてじわじわ進むくらいじゃない?
爆発的に広がるとは思えないんだよね。
コロナ禍のデータが示す「オンライン服薬指導は微妙」な現実

実はね、2020年4月から2023年7月までのコロナ禍の特例で、
電話だけで診察も服薬指導もできた時期があった。
その時何が起きたかっていうと、患者さんのほとんどが「診察は電話でOKだけど、薬は薬局に取りに行く」って選択をしてたんだよ。
つまり、オンラインで診察するのはいいけど、わざわざ薬を郵送してもらうのは面倒って感じてる人が多かったってこと。
薬局側も「患者を待たせないように」って工夫してるから、事前に処方箋を送っておけばすぐ薬がもらえる。
電子処方箋が浸透しても同じで、結局「薬局に取りに行く方が楽」ってなるよね。
オンライン診療が進んだとしても、薬って現物を手にしないといけないから、診察ほどオンライン化が進まないんじゃないかな。
薬局側から見ると「負担増えるだけ」でデメリットだらけ

じゃあ、薬局側はどうなの?って話。
Amazonファーマシーみたいなオンライン服薬指導って、薬局にとっては結構キツイんだよ。
考えてみて。
普段は患者さんが来て、処方箋見て、調剤して、服薬指導して…ってやってるよね。
オンラインだと、調剤は後回しで服薬指導だけ先にやって、その後に郵送するって流れになる。
でも、これって現場のオペレーション考えるとめっちゃ大変なんだよ。
リアルタイムで来局する患者対応しながら、オンラインの患者にも対応するなんて、時間的にも人手的にも無理ゲーすぎる。
薬剤師の数が現状のままだと、間違いなく疲弊するよ。
もしオンライン服薬指導がバンバン増えたら(そんな未来は想像しにくいけど)、人を増やさないと回らない。
人件費上がるし、コスト増えるし…薬局にとって旨味がないんだよね。
だから私は、Amazonファーマシーに参入した大手チェーンがそのうち「利益出ないし撤退」ってなるんじゃないかって予想してるんだ。
現場を知らない経営者の焦りが一番ヤバい

でね、最後にちょっと笑いものなんだけど、現場を知らない経営者の焦りってほんと厄介だよね。
昔、「かかりつけ薬剤師制度」が始まった時もそうだった。
ある経営者が「かかりつけ薬剤師にならないと患者が他の薬局に取られる!」って大慌てして、社員に契約ノルマまで課したんだよ。
でも、現場でやってれば分かるけど「任意の制度なんだから、そんなに浸透しないでしょ」って最初から思ってた。
実際、数年経っても全然進んでないよね。
その経営者に「リフィル処方箋とか特別な条件でもない限り、かかりつけ薬剤師なんて流行らないよ」って言ったんだけど、聞く耳持たずでさ。
結局、社員に無駄な負担かけただけで終わっちゃった。
今は地域支援加算のために多少関係してるけど、それでも大した話じゃない。
こういう「現場知らないバカな経営者」がAmazonファーマシーを見て「黒船だ!」って焦ってる姿って、ちょっと滑稽だよね。
有名な話だと、シャープの若手社員が「携帯にカメラつけよう」って提案した時、幹部が「誰が使うの?」って反対したけど、結局それがスマホの原型になったとか。
無能な経営陣って、ほんとトンチンカンな判断するから怖いよ。
まとめ:Amazonファーマシー恐れるに足らず
結局ね、Amazonファーマシーが日本の薬局にとって脅威じゃない理由はシンプルだよ。
アメリカと日本の制度の違い、患者にとってのメリットの薄さ、薬局側の負担の大きさ、電子処方箋の浸透の遅さ…
そして、慌てて参入した大手チェーンが現場や患者の動きをちゃんと見れてないってこと。
かなり古い話だけど「満鉄がなくなったら日本終わり!」って大騒ぎしてた時代があったけど、なくなっても何の問題もなかったよね。
人間って何か新しいものが出るとビビりすぎる傾向があるのかも。
でも、現状をちゃんと見て、未来を少し予測できれば、そんなに慌てる必要もないし、無駄な動きもしなくて済む。
結論? Amazonファーマシーなんて怖がる必要なし。
薬剤師としてちゃんと仕事してれば、全然大丈夫だよ。
ね、そう思わない?
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